Ninja ZX-14R vs ハヤブサ1300 乗りくらべ
ZX-14Rの納車から約2ヶ月半。
ZX-14Rの慣らし運転は終わってなく、まだ6,000rpmまでしかエンジンは回せませんが、走行距離は約1,400kmとなり、やっと性格が見えてきたし、構想もまとまったので、「カワサキ Ninja ZX-14R 2013年モデル」と、このZX-14Rの前に乗っていた「スズキ ハヤブサ1300 2009年モデル」の乗り比べ比較を記事にしたいと思います。
まず前提条件として、エンジン、マフラー、サスのセッティング等は全てノーマルです。
1.エンジン
ZX-14Rは、DOHC16バルブで、排気量は1,441cc。2軸バランサーを備えており、エンジン振動は少なく、まるでモーターのようです。四輪車に例えるなら、高級サルーンのような感じです。
ハヤブサ1300は、同じくDOHC16バルブで、排気量は1,340cc。1軸バランサーのため、エンジン振動は多めで、ゴリゴリした感じです。しかし、その振動は決して邪魔になるものではなく、200km以上連続走行しても手はしびれません。
私はかつて、CBR1100XXにも乗っていましたが、CBR1100XXは2軸バランサー搭載で振動は少なかったですが、変な微振動で100kmも走らないうちに、手がビリビリにしびれていたことを思い出します。
ZX-14Rでは、まだ長距離連続走行はしていないので、微振動で手がしびれるかは、まだわかりません。
今後、そのようなことがあれば報告したいと思います。
このようなビッグバイクでは、6速入れっぱなしで、オートマチック感覚で走る状況がたくさんあります。
ZX-14Rでは、2、000rpmで9.5kg-fのトルクを発生してると言われていますが、では2,000rpm以下ではどうでしょう。
ZX-14Rでは、アイドリング回転数の1,100rpmで走ることは出来ません。コンピュータのプログラミングで、ギヤがつながった走行中は1,250rpm以下には落ちないようになっているみたいです。
1,250rpmでの速度は約40km/hで、その状態では走ることは出来ます。また、そこから加速しようと、そっとアクセルを開けると加速はしますが、ノッキングを伴います。
一方、ハヤブサ1300では、アイドリング回転数の1,250rpmで走ることが出来ます。その時の速度は、約36km/h。
そこから加速しようと、そっとアクセルを開けると、ノッキングなしで加速を開始します。
ハヤブサ1300でも、6速アイドリングからアクセルをガバ開けすると、当然ノッキングをします。
ということで、2,000rpm以下の極低回転では、ハヤブサの方がトルクが大きいように感じられます。
2.取り回しと操作性
ZX-14Rは、マスの集中の表れか、車重の割に、取り回しは非常に軽く感じられます。走行中のハンドリングは、非常に軽快。ハンドルも軽く、ヒラヒラとコーナーをクリアしていくことが出来きますが、あまりにも軽く感じられるため、コーナーリング中によそ見をすると、すぐにコーナーリングのラインが乱れるほどです。
ハヤブサ1300の取り回しは、非常に重く感じられます。サイドスタンド状態から起こす時も、「よっこいしょ」ってな感じです。また、ステアリングダンパーが標準装備されているためか、走行中のハンドリングは手応えのあるものになっていて疲れますが、逆にコーナーリング中によそ見をしても、コーナーリングラインは乱れることはなく、ビシッと安定しています。
3.ライディングフォームと足つき
ZX-14Rは、軽い前傾姿勢。ハンドルも体に近くあって、長距離を走っても、首や手首は疲れづらいです。足つきは、両足指の付け根から先がしっかりとつきます。
ハヤブサ1300は、ZX-14Rより強い前傾姿勢。ハンドルは体から遠く、長距離を走ると、首や手首が疲れます。足つきは、両足のかかとがつくくらいで、シート高の割に足つきはいいです。
4.通常のライディングフォームでのウィンドプロテクション
ZX-14Rは、肩の上の方に走行風が当たります。
ハヤブサ1300は、脇から上の肩全体に走行風が当たります。
当然、ZX-14Rの方が風当たりが少なく、疲れづらいです。
5.メーターの視認性
ZX-14Rは、スピードメーターとタコメーターの間に、マルチファンクションメーターを備えるレイアウト。スピードメーター、タコメーターとも少し小さめで、また若干外に出ているので、映り込みが多く、見づらいときが多い。また、マルチファンクションメーターはギアポジション、エコランプ、バッテリー電圧、水温、燃料、距離、時間等を色々な情報を表示して便利なのですが、表示がゴチャゴチャしていて見づらいし、ギアポジションの文字も小さく見づらく感じます。
ハヤブサ1300は、アナログ4連メーターの中央にギアポジション、時間、距離等を表示するディスプレーを装備。メーターは大きく、少し奥まったところにあり、映り込みも少なく、シンプルだし、ギアポジションの表示は大きく見やすいように思います。
ZX-14Rは熱対策がよくされていて、真夏に渋滞に巻き込まれて電動ファンが回っても、エンジンの熱風は直接足に当たることはありません。また、モノコックフレームのため、ニーグリップした足が直接フレームに当たらないので、ニーグリップは出来ます。
ハヤブサ1300は、エンジンがフレームにマウントされているためにエンジン熱がフレームに伝わり、真夏の渋滞中にニーグリップをすると、ふくらはぎ付近がちょうどフレームに当たり、やけどしそうなくらい熱くて、ニーグリップが出来なくなります。
7.シート
ZX-14Rは、フロントシートとリアシートが一体型となっているために、シートを取り外すときは、その大きさが邪魔になることがあります。また、シートの取り外し取付には、少しコツがいる構造となっています。
ハヤブサ1300は、シングルシートとなっていて、リアシートのみがキーで開けあれるようになっています。なので、シートが小さく取り外し取付は楽です。
8.加速性能
ハッキリ言って両車とも、とてつもなく速く、公道上ではどちらも変わりません。フル加速をしようものならどちらも、体が置いて行かれる感じになります。
9.走行音
ZX-14Rの排気音は静かです。少しスピードを出すと、風の音で排気音が聞こえなくなるほど静かです。空ぶかしすると、ブヒュー、ブヒューという感じの音です。
ハヤブサ1300は、ZX-14Rに比べると少し排気音が大きいです。走行中でもよく聞こえてきます。空ぶかしすると、バーン、バーンという感じの音です。
10.スピード感
前述したとおり、ZX-14Rは振動も少なく、排気音も静かなため、振動や排気音から感じるスピード感が掴みづらいものがあります。なので、結構スピードメ-ターでスピードを確認しています。
ハヤブサ1300は、適度な振動もあり、排気音もZX-14Rより大きめなために、振動や排気音から感じるスピード感は掴みやすいです。
私の個人的な感覚ですが、ZX-14Rは現市販車最速という余裕もあり、ツアラー寄りの性格のためか、不思議にゆっくりと走りたくなるオートバイです。
それに比べてハヤブサは、なぜだか、ギンギンに走りたくなる(攻めたくなる)オートバイです。
11.燃費
個体差や個人の乗り方にもよりますが、私の場合、両車で同じような時季、ほとんど同じコースをツーリングしました。その結果、ZX-14Rは17.0km/L、ハヤブサ1300は23.8km/Lでした。
100km以上のツーリングでは大体、ZX-14Rは15~17km/L、ハヤブサ1300は18~23km/Lです。
圧倒的にハヤブサの方が燃費がいいです。
いろんな人に話を聞きましたが、リッターバイクの燃費は、リッター15~17kmが普通だそうです。ハヤブサの燃費が異常にいいことになります。
12.バッテリーの取り外し
ZX-14Rはフレームの中にバッテリーがあり、サイドカウルを外さなくてはならないので、バッテリーの取り外し取り付けには、慣れとコツが必要で、時間がかかり、メンテナンス性が悪いです。
ハヤブサ1300は、フロントシート下にバッテリーがあり、フロントシートを外すだけで、バッテリーの取り外し取り付けが出来、5分くらいで作業は終了します。
13.どちらを買うか迷っている人へ
性格的に、ZX-14Rはツアラー寄りの最速マシーン、ハヤブサ1300はスーパースポーツ寄りの最速マシーンと考えればいいと思います。
公道上での性能は、どちらも変わりません。
では、「どちらを買うか?」迷っている人は、どちらを買うのがいいか?
答えは簡単!
それは、あなたがカッコイイと思える方を選べばいいだけのことです。
カッコイイと思えれば、少しの弱点は目をつむることが出来るからです。
長文になってしまいましたが、これからどちらを買うか迷っている人の参考になれば幸いです。
なお、今後思いついた点があれば、この記事を順次、追加訂正します。
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改定1 2014年4月27日
改訂2 2014年8月14日
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